給与明細の記載事項は?

 通常、従業員の方が受け取る給与明細書には、基本給や手当の支給項目、保険料や税金の控除項目、出勤日数や労働時間の勤怠項目が記載してあることが一般的だと思います。これらの事項は、法定3帳簿の一つである賃金台帳の法定記入事項に該当します。では、給与明細の法定記載事項は何なのか?これに関しては、労働基準法の通達が参考になります。

H10.9.10基発第530(一部抜粋)

 使用者は、口座振込み等の対象となっている個々の労働者に対し、所定の賃金支払日に、次に掲げる金額等を記載した賃金の支払に関する計算書を交付すること。

 (1) 基本給、手当その他賃金の種類ごとにその金額

 (2) 源泉徴収税額、労働者が負担すべき社会保険料額等賃金から控除した金額がある場合

   には、事項ごとにその金額

 (3) 口座振込み等を行った金額

また、健康保険法、厚生年金保険法、労働保険料徴収法には、「保険料控除に関する計算書を作成し、その控除額を当該被保険者に通知しなければならない。」旨が定められており、各法により給与から保険料を控除したときは、計算書を従業員に発行する必要があります。また、所得税法においても、「給与等の金額その他必要な事項を記載した支払明細書を、その支払いを受ける者に交付しなければならない。」旨が定められています。

 以上を見てみると、支給項目又は控除項目についての記載の法的必要性が見られるものの、勤怠項目についての明記がありません。しかし、労働日数、有休日数や労働時間については、賃金計算上の根拠にもなることから、記載するべき事項であり、記載することが慣行となっています。近年増加する労使トラブルを防ぐうえでも、賃金台帳とともに、各事項を記載した給与明細書の作成が求められます。

〈参考〉 労基則54条1項・2項(賃金台帳の記入事項)

 ア 賃金計算の基礎となる事項、賃金の額

 イ その他厚生労働省令で定める事項

  a 氏名

  b 性別

  c 賃金計算期間

  d 労働日数

  e 労働時間数

  f 法33条もしくは法36条1項の規定によって労働時間を延長し、もしくは休日に労働させた

   場合又は午後10時から午前5時(厚生労働大臣が必要であると認める場合には、その定

   める地域又は期間については午後11時から午前6時)までの間に労働させた場合には、

   その延長時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数

  g 基本給、手当その他賃金の種類ごとにその額

  h 法24条1項の規定によって賃金の一部を控除した場合には、その額

  i gの賃金の種類中に通貨以外のもので支払われる賃金がある場合には、その評価総額

 ウ 賃金台帳に記帳する時間外労働時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数は、就業

   規則において労働基準法の規定と異なる定めをした場合には、その就業規則に基づいて

   算定する労働時間数を記帳することができる。